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北東北・道南桜前線旅行 5月1日編 〜青い池と白い神〜

5月1日

朝風呂に入り、サッパリしてから出発。まずは弘南鉄道大鰐線で大鰐へ向かう。やはり通学利用が多い。結構な混雑であった。途中の津軽大沢には今は使われなくなった元東急6000形が留置されていた。あの個性的な車両に一回乗ってみたい・・・。川を挟んでJRと併走すると終点の大鰐に到着。大勢の通学客はいつの間にかほとんどいなくなっていた。ここからは奥羽本線で弘前へと戻る。JRは大鰐温泉、弘南鉄道は大鰐とそれぞれ名乗っているが、実際にはJR駅舎の隣に弘南鉄道の駅舎があり、ホームも跨線橋で繋がっているので実質同一駅である。

しらかみ2

弘前に到着。3番線で列車を待っているとリゾートしらかみ2号が青森からやってきた。今回乗車したのは橅(ブナ)編成。緑のボディが白神の美しい森を想像させる。川部で進行方向を変え、列車は五能線へ。今日は曇り時々雨という予報だったのだが時折太陽も顔を出し、雨には降られずにすみそうだ。五所川原で一昨日乗車した津軽鉄道を横目に見ながら奥津軽へと進んでいく。しばらくすると先頭で津軽三味線の演奏を行うという放送が入ったので見学しにいく。攻撃的な中にも儚い雰囲気があり素晴らしい。感情が揺さぶられるようだ・・・しばし聞き惚れてしまった。

三味線

鯵ヶ沢に近づくといよいよ日本海が姿を現した。今日はあまり波は高くなさそうだ。ここから列車はあきた白神辺りまでひたすら日本海に沿って進むことになる。本当に海岸スレスレの所を走ることもあり、波が高い時は列車に波がかかったり運休になることもあるとか。独特の荒々しい海岸線が続き目が離せない。途中の深浦で青森行きのリゾートしらかみ1号と交換。あちらはくまげら編成だ。途中のウェスパ椿山でやや客が入れ替わり、走ることしばらく十二湖に到着。自分はここで下車する。

駅前の店に荷物を預け準備万端、バスに乗り白神山地の中へ。ここ十二湖は森の中に大小三十三の池が点在し、崩山から見下ろすと池が十二個見えたことが由来だ。森などは手がつけられていない原生林のまま残っており、植物の種類は全国でも稀に見る多さでブナ原生林はここが北限だとか。ワクワクしてきた。最初に日本キャニオンから回ろうと考えていたのだが、意外と勾配がきつそうなので一旦奥まで行ってから下ってくることにした。

終点の奥十二湖に到着し、まずこの十二湖を代表する池である青池へ向かった。すごい・・・本当に池の水が青い。しかし非常に透明度が高く、池の底や沈んだ木々などがはっきり見える。なにかのパンフレットで見て以来ずっと見てみたいと思っていたので感動もひとしお。なぜこの池の水が青いのかは科学的にも解明されていないとか。理論や根拠がまかりとおる現代、なんともロマンチックな話ではないか。

青池1

青池2

青池を見ただけですでに大満足なのだが、まだまだ周辺には様々な池が点在しているので早速ブナ原生林の中を歩く。風が心地良い。写真を撮りつつ進み、森を抜けた所でふと立ち止まった。空からハラハラと、木の葉の雨が降る。その美しさに思わず言葉を無くして立ち尽くした。その時ゴォォォーッという音が聞こえた。どうやら風が森の木々をすり抜ける音のようだ。いつも都会で聞くような音ではない、もっと低くて思わず気圧されてしまう、まるで唸りのような体中に響く音・・・これが「森の息吹」というものなのだろうか。自然の大きさと自分という存在の小ささを感じ、思わず体の芯から震え上がった。それが恐怖なのか感動なのかは分からない。しかしあの音は未だに自分の中に深く刻まれている。

ブナ

その後森を進むと小さな道があった。少し入ってみるとこじんまりとした、しかし神秘的な池があった。どうやら長池のようだ。自分が今回の散策で一番感動したのは実は青池ではなく、この長池かもしれない。青池は確かに素晴らしかった。しかし人が多く、しかも整備されているのでやや秘境感に乏しかった。その点この長池は道からやや外れた場所にあり人の気配は全くなし。しかも素晴らしい透明度で、青池よりはっきりと池の底まで見ることができる。壮大な自然の中にひっそりと佇むこの池に、自分はここ十二湖の真髄を見たような気がした。

長池

その後いくつも池を巡り日本キャニオンへ登った。日本キャニオンは見た目がアメリカのグランドキャニオンに似ているということだが、さすがにこれを本場のグランドキャニオンと比較するのはあまりにも・・・景色はよかったが。

日本キャニオン

とりあえず十二湖エリアの入口まで戻ってきたはいいが、時間が結構余っている。ちょうどバスが来たのでもう一回奥十二湖まで戻って別ルートで歩いてみることにした。羽虫に襲撃されつつがま池や沸壷の池を見学し、再びブナ林を通って青池を見学。今回は人がほとんどいなかったのでゆっくり見学することができた。いつまでも見ていたいがそろそろバスの時間だ。絶対また来ることを心に誓い、泣く泣く白神山地を後にしたのであった。

がま池

沸壷

奥十二湖からバスに乗る。ここからのバスは基本的に十二湖駅の先にあるサンタランドで折り返すのだが、一日に何本かはウェスパ椿山の先にある不老ふ死温泉まで行ってくれるのだ。十二湖駅でバスの運転手さんの了承を得て預けていた荷物を回収し、そのまま不老ふ死温泉へ。朝からずっと曇っていたのだが、途中から雲が切れて快晴になった。ちょっとタイミングが悪いがまあ仕方ない。今度来る時は晴れてくれることを祈ろう。

不老ふ死温泉に到着し、早速本館で日帰り入浴の手続きを済ませる。不老ふ死温泉は日本海に面した温泉旅館で、目玉は露天風呂。なんと岩場に風呂があり、波が高い時には風呂に海水が入ってくるほどの場所にあるのだ。早速海岸風呂へ入ってみるも熱い!風呂から出ると海風が心地良い。入っては出るを繰り返して満喫した。しかし当然岩場にあるのでフルオープン。恥ずかしがりやな人にはオススメできない。
不老ふ死

その後室内風呂で汗を流し、ゆっくりしていると乗る予定だったウェスパ椿山駅までの無料送迎バスに行かれてしまったようだ。次のバスを待って入口でボケッとしていると従業員の方がやって来て、なんと車で駅まで送ってくれるとのこと。喜んでお願いし、駅まで送ってもらった。本当にありがとうございました。

ウェスパ椿山駅は駅前に大きな店があるのでそこで列車を待つ。駅に隣接した大きなステージがあり、何かイベントを行ったりするのだろうか。待つことしばし、リゾート白神4号がやってきた。リゾート白神は全部で3編成ありそれぞれ愛称が付いているのだが、今回やってきたのは今朝深浦で交換したくまげら編成。3編成の中で一番新しい車両である。この列車で自分が指定したのは2号車のボックス席。1号車と3号車は日本海側窓側が空いていなかったのでこの席しかなかったのである。セミコンパートメントなので相席になったらちょっと気まずいと思っていたのだが人はいなかった。広いボックスを一人で占有できるのは贅沢な感じだ。またこの席は面白い仕掛けがあり、椅子を引き出すとフラットな状態になって足を伸ばすことも可能なのだ。早速向かい側の椅子を引き出して足を置き、ゆったりと日本海を眺める。うーん最高。列車は青森県と秋田県の県境を進む。車窓には夕陽の差す日本海と切り立った断崖が続き、まさに五能線のハイライト区間だ。

しらかみ4

五能線

あきた白神を過ぎると五能線は日本海と別れを告げ能代へ向けて南へ進路をとる。能代はバスケットで有名な場所で、駅のホームにバスケットゴールがある。次の東能代で自分は下車するので仕度をしていると円満そうな夫婦がやってきた。あわてて椅子を元に戻したのだが、どうも相手も自分と同じ席番だと言うので見せてもらうと次の東能代から自分と入れ違いに席を指定していたのだった。相手も勘違いだと分かり笑って解決。その後東能代に到着するまで話していたのだが、東京で働いており実家が能代なのだという。今日はこれから秋田経由で東京に戻るとか。しかも自分のバイト先の駅をいつも利用しているとのことで、「見つけたら気軽に声をかけてください」と言って別れた。こういう出会いってやっぱりいいな。

東能代では乗車予定の列車まで1時間以上時間がある。ちょうど大阪行きの寝台特急「日本海」がやってくるので撮り鉄して時間を潰し待つことしばらく、ようやくキハ58系3連の鹿角花輪行き快速列車がやってきた。この列車は元々急行「よねしろ」として使用されていた車両で、座席がリクライニングシートに換装されているので快適だ。しかもエンジンも換装されているので性能がかなり向上しており、実際乗ってみると電車顔負けの鋭い加速にビックリした。奥羽本線をガンガン飛ばして大館に到着。ここからこの列車は花輪線に入る。

日本海

今日の宿は青森なのになぜ自分がこの列車を選んだのかというと、この車両は今年末で引退してしまうというニュースを聞き、前々から乗りたいと思っていたこの車両に一度乗っておきたいと思ったからである。列車は花輪線に入り、自分は大滝温泉で通学客と共に下車。ここで対向列車を待つ。やってきたのは今年3月のダイヤ改正から導入されたキハ110系。窓が開かなくなってしまったのは残念だが乗り心地はよく、地域の人々にとっては喜ばしいことだろう。

よねしろ

大館に到着。雨はいよいよ本降りだ。しばらくすると最終の青森行き特急「いなほ」7号が到着。この列車で青森へ向かう。室内に入ってみてビックリ。シートは柄などが大幅に更新されており新車のような雰囲気だが簡易リクライニング・・・。自分は長時間乗車するわけではないので別に構わないが、この座席で新潟から青森まで乗り通すのはかなり苦痛だろう。

青森に到着し、買出しを済ませてチェックイン。今日は本当に歩いた。20キロ以上歩いたのではないか・・・。しかしその割に疲れを感じないのは、きっとそれ以上に白神の風景が素晴らしかったからだろう。明日は比較的余裕のあるようにしてあるが、念のために早めに寝て疲れを取っておこう。


5月1日のルート
中央弘前(7:30)→弘南鉄道大鰐線普通列車→大鰐(大鰐温泉)(7:59/8:19)→奥羽本線普通1633M→弘前(8:31/8:44)→五能線快速「リゾートしらかみ」2号→十二湖(11:19/11:30)→弘南バス→奥十二湖(11:45/14:15)→弘南バス→不老ふ死温泉(15:00)→送迎→ウェスパ椿山(16:45)→五能線快速「リゾートしらかみ」4号→東能代(17:58/19:08)→奥羽本線・花輪線快速3969D→大滝温泉(20:23/20:28)→普通1939D→大館(20:45/20:58)→奥羽本線特急「いなほ」7号→青森(22:01)

次回は5月2日の模様をお送りします。そこは極楽か、はたまた地獄か。

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